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プーチンは今頃、ウクライナではなく、日本を攻撃するべきだったと後悔していますね?

2022年11月25日(金)
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/ …

ウクライナ侵攻が始まる以前、ロシアは「かなり真剣に」日本との局地的な軍事紛争を計画していたとするFSB職員のメールを入手>

ウラジーミル・プーチン大統領が率いるロシアは、ウクライナへの大規模侵攻に着手する何カ月も前の2021年夏、日本を攻撃する準備を進めていた──こんな衝撃的な情報を、本誌が入手した。これはロシア連邦保安庁FSB内部告発者からのメールで明らかになったものだ。

3月17日付けのこのメールは、「Wind of Change(変革の風)」と名乗るFSB職員が、ロシア人の人権擁護活動家ウラジーミル・オセチキンに定期的に送信しているメールのひとつだ。オセチキンは、ロシアの腐敗を告発するサイト「グラグ・ネット(Gulagu.net)」の運営者で、現在はフランスで亡命生活を送っている。

メールのやり取りをロシア語から英語に翻訳しているのは、米ワシントンを拠点とする非営利団体「ウィンド・オブ・チェンジ・リサーチグループ」の事務局長イーゴリ・スシュコだ。本誌は、同氏から全メールのやりとりを入手した。

オセチキンが公開した内部告発者のメールは、FSB専門家でオープンソースの調査報道機関べリングキャットの代表のクリスト・グローゼフによって分析されている。グローゼフがこのメールを「FSB(現・元)職員の知人」に見せたところ、「FSBの同僚が書いたものに間違いない」という答えが返ってきたという。

オセチキンが3月に受け取った内部告発者からのメールには、2021年8月にロシアは、「日本を相手にした局地的な軍事紛争に向けて、かなり真剣に準備をしていた」と書かれている。このFSB内部告発者によれば、ロシアが攻撃相手をウクライナに変えたのは、それから何カ月も後のことだった。

「日本とロシアが深刻な対立に突入し、場合によっては戦争に発展する可能性はかなり高かった。最終的にはウクライナが選ばれた(シナリオ自体はそれほど大きく変わっていない)が、その理由は私が答えることではない」とメールには書かれている。

ロシアにとって北方領土は「交渉の切り札」
内部告発者は、日本を標的にした電子戦用ヘリコプターの展開について詳しく語っている。また、ロシアがプロパガンダ・マシンを作動させ、日本に「ナチス」「ファシスト」というレッテルを貼る作戦を強く推し進めていたことについても説明している。

内部告発者は、ロシア政府と日本政府の間にある「主な障害物」は北方領土だと述べている。「日本政府にとっては、北方領土が現在の地政学的関係の土台となっている。日本にとって北方領土の返還は、戦後のステータスの見直し(場合によっては取り消し)を意味することになる」とメールには書かれている。

それに対し、ロシア政府にとって北方領土は「有利な交渉の切り札」であると、内部告発者は続けた。「中国は、戦後の取り決めを見直す試みをすべて、非常に否定的に受け止める。そして、北方領土を巡る紛争で日本が勝利するようなことを、中国政府は容認しない。絶対に認めることはできず、ロシアがそうした『贈り物』をすれば、中国は対露関係をたちまち複雑にするだろう」

21年8月に始まった「反日情報キャンペーン」
FSBは2021年8月、第2次大戦中に日本の特殊部隊がソビエト連邦の国民に拷問を与えたとする文書や写真などの機密を解除した。内部告発者によれば、こうした機密を解除して「ロシア社会で反日情報キャンペーン」を開始するのがFSBの目的だったという。「機密解除はまさに唐突で、ほとんど予想外と言える動きだった」とメールには書かれている。

機密解除された情報には、第2次大戦時の日本陸軍大将で関東軍総司令官だった山田乙三に尋問した際の情報も含まれている。

「もともと8月8日の時点では、ロシアのマスメディアは機密解除のニュースをかなり控えめに報じていた。その内容は、日本が1938年から対ソ連戦争に備えて、攻撃計画を密かに立てたり、陽動作戦を計画したりするなどしていたというくらいのものだった」と告発者は書いている。

「しかしロシアのメディアは8月16日、文字どおり爆発的に報道を開始し、それと同時に、機密解除された文書についての論調も一変した。たとえば、日本が細菌兵器開発のためにソ連軍の捕虜を使って残酷な実験を行ったり、捕虜を非人道的に扱ったりしたと報じた。捕虜の拷問に使われたシラミについての話が、至るところで書き立てられた」

「彼らは戦争の相手をウクライナに置き換えた」
だが結局、この「軍事攻撃」計画が実行されることはなかった。「彼らは、戦争の相手を日本からウクライナに置き換えたようなものだ」と告発者は続けている。「いずれにせよ、彼らは正気ではない。日本への攻撃を検討していたことも、ウクライナ侵攻を実行したことも、両方とも狂気の沙汰だ」

内部告発者によれば、2021年夏には「日本に対するロシアの諜報活動が活発に行われていた」ようだ。「彼らは、日本は残忍な生物化学の実験を行い、残酷で、ナチズムへと向かう性向があると主張することに賭けようとした。日本は、第2次大戦後に非武装化されるべきだったが、そうした『規制』に違反しており、ロシアを危険にさらしている、と」

「しかし結局のところ、ロシアが戦争に向かうことは避けられなかった。なぜなら、ロシアの指導者が狂ったように戦争を望んだからだ。そうしていま、戦闘準備の整ったその方面の部隊のほとんどが、ウクライナに再配備されている」と内部告発者は述べている。