この歳に成って言い残しておきたい言葉が有る。名言ではない。ありふれた言葉だ。ただ、残念なのは遅すぎたことだ。もう居ないのだ。言い残したい相手が。
その言葉は、ありふれた朝晩のあいさつ。共に食べておいしいねと言ったり。月を見てきれいだねと言ったり。だが、遅すぎたんだ。もう居ないのだ。その言葉を言い残したい人は。
もっと、前に、何十年も昔に言うべきだった。気付かなかったのだ。その時には。この歳に成って、今になって気づいたんだ。言い残しておきたい言葉が有ると。
我々は未来に言葉を残せるかもしれないが、過去に言葉を届ける事は出来ないんだ。そんな事、当たり前だが、気付かなかったんだ。その時には。
今になって気づいたんだ。この歳に成って、言い残しておきたい言葉が有ると。名言ではない。ありふれた言葉だ。
_____________
この詩を有名な「青い影」のメロイディで歌えないでしょうか?