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2020年 01月 09日
いまこそ先進国の常識「住宅手当」の導入を
多くの先進国にはあって日本にはない制度が、「住宅手当(家賃補助)」という制度です。OECD加盟国のうち30か国が住居費への公的補助を行っています。
イギリスでは全世帯の17.6%、フランスでは全世帯の24.0%が住宅手当の受給対象になっており、日本に比べてより広い世帯を対象にしています。
日本の住宅政策は、住宅金融公庫(現住宅金融支援機構)による低利融資や住宅ローン減税により、新築住宅の供給量を増やすことに重点をおいてきました。今年度も住宅ローン減税などに約8000億円の予算が投入されています。
しかし、現在では人口減少が進み、空き家が増えています。全国の空き家はなんと約850万戸もあります。空き家率は13.6%と過去最高です。
これだけ空き家が多いのに、低金利の影響もあって福岡都市圏ではどんどんマンションや分譲住宅が売りに出されています。これ以上税金を投入して住宅の新築を促す必要はないと思います。
社会保障政策としての住宅手当
欧州の福祉国家では、住まいの権利(居住権)は基本的人権のひとつと見なされ、住宅政策を社会保障政策(福祉政策)と位置づけます。
公的な住宅手当(家賃補助)は、住環境の改善、あるいは、生活費のかなりの部分を占める家賃負担の軽減に役立ちます。
住宅手当の受給対象者は、①住民税非課税世帯(約3100万世帯)のうち賃貸住宅にお住まいの方、および、②大学や専門学校に通っている下宿生(約140万人)となります。
仮に月に平均2万円程度(年間24万円)の住宅手当を支給するとすれば、私の試算では約2兆2600億円の財源が必要になります。
新築住宅を支援する住宅ローン減税8000億円と比べれば大きな予算ですが、主に低所得者・低年金者や学生を対象とすることを考えれば、格差是正の観点から十分に妥当性があると思います。
GDPに占める住宅手当の割合は約0.5%となり、イギリスやフランスの住居手当がGDPに占める割合の約半分です。
少子化対策としての「家賃補助」を考えるべきではないですか?
いまこそ先進国の常識「住宅手当」の導入を