一票の格差に反対のブログ

民主主義のブログです。

中華人民共和国と日本との違いは何か?


それは中華人民共和国と日本には共通して一票の格差が有るからだ。その結果、中華人民共和国と日本では政権交代が起こりにくいのだ。

私も最近まで知らなかったが、中華人民共和国にも選挙が有る。従って、選挙によって選ばれた代議員が居て、議会も存在する。しかし、その議会で賛成派と反対派に分かれて熱心な議論が戦わされる映像を見た事は無い。

中華人民共和国で大統領選挙が行われたという話は聞かないから、おそらく中華人民共和国は日本と同じく議院内閣制の国なのだろう。つまり、日本と同じく議会の議決によって、国家の首相が選ばれる国なのだろう。

そもそも議会とは議論し討論する場だ。決して「居眠り」する所では無いはずだ。しかし、日本の議会は堂々と議員が居眠りする事で世界的に有名だ。何故、こんな事に成った?

中華人民共和国の議会と日本の議会で共通して言えることは、議会の議論や討論の結果によって、政策が決定される場所ではないと言う事だ。従って、議会での議論や討論は無意味なのだ。議会での議論や討論が無意味である以上、中華人民共和国の議会においては熱心な議論や討論は無く、同様に日本の議会においては、居眠りが横行する。

では、議会での熱心な議論や討論によって、政策が決定されるのではないとすれば、中華人民共和国や日本では何によって、政策が決定されるのだろうか?

それは選挙での利益代表者の数によって政策が決定される。日本の議会においては業界などの利益代表者の数で決定される。中華人民共和国においても同様である。つまり、選挙で、利益代表者の数が決まれば、それによって自動的に政策も決まるので、議会での議決は単なるセレモニーに過ぎず、熱心な議論や討論は不要なのだ。

中華人民共和国においては、中国共産党の政策を遂行する為、その政策遂行に有利なように、あらかじめ議員定数が配分される。当然、一票の格差が生じるが、そんな事よりも政策遂行が優先され気にされる事は無い。日本の選挙においても同様である。自民党の政策遂行が優先され、一票の格差が気にされる事は無い。

そして、意図的に仕組まれた一票の格差の有る議員定数配分によって、当然のごとく、中華人民共和国では中国共産党が選挙に勝利し、日本においては自民党が選挙に勝利する。これが中華人民共和国と日本では政権交代が起こりにくい理由である。

つまり、議会の何たるかが、議論や討論場であるとすれば、中華人民共和国と日本には議会は存在しない。日本における議会とは、ただ単に「居眠りする場所」に過ぎない。そんな物は議会でも何でもないのは明らかである。
_____________
中国選挙制度の法的構造(一)
---その人民代表定数不均衡問題を焦点に---

https://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/law/lex/95-56/ …

   (3)  人民解放軍による「単独選挙」区への優遇的な定数配当

人民解放軍への優遇的な定数配当は、現実ではつねに人口比例主義をはるかに逸脱して行われており、普通の有権者との間に大きな格差を招来している(26)。

全国人民代表代の選挙の場合でも、人民解放軍と普通の有権者との一代表当たりの人口格差は、つねに二ケタ以上に達している。

そのなかで、特に、七〇年にの「文革」や八〇年代初期の対ベトナムのいわゆる「自衛反撃戦」など軍隊の役割が重要視される時期に、人民解放軍へ配分された定数は、端的に急増し、驚くほどの格差を生み出していることが明らかである。